魔道師と暗殺者
「朝倉くん・・・ごめんなさい・・・私・・・。」
時々、先咲さんが正気に戻るのが、やるせなかった。
「気にするな・・・こんなの痛くもないよ。」
必死に笑顔を振りまく。
当然だ。こんなことで痛がっていたら、アサシンが勤まるはずがない。
コレぐらい、かすり傷だ。
・・・・・・・・とは言え。
「健気だな・・・だが、そろそろ飽きてきた。ミコト、そろそろ止めを刺せ。もちろん、即死はさせるなよ。」
・・・・・・・・万事休す。
全てが終わった気がした。
振り上げられる、先咲さんのナイフ。
コレが振り下ろされ、自分の短い人生は幕を閉じる・・・・・・・ハズだった・・・。
しかし・・・事態は常に変化する。