魔道師と暗殺者

「そういえば、お前、高校卒業したら留学するんだって?」


 ラーメンも半分ぐらい食べ終わった頃、不意に由良が口を開く。


「ん?なんで知っているんだ?」


「この前、先生と話しているところをたまたま聞いたんだよ。」


 いつの間に・・・。


「まぁ、元々、親が向こうに住んでいるからな・・・。」


「ロンドンだっけ?」


「ああ。」


 覚悟を決めた。


 俺は向こうに行って戦争をする。


 魔道師同士の戦いだ。


 命はないかもしれない・・・。


 ・・・・・・・・・・だから、せめて高校だけは・・・今、この瞬間だけは楽しみたいと思ったんだ。


 姉貴は反対しなかった。


 『あなたらしい選択ね。だけど、ベストな選択だと思うわ。あなたがこっちに来る二年ぐらい、持たせて見せるわ。』


 姉はそれだけ言い残すと、海外に戻っていた。


 俺もぐずぐずしていられない。


 今のままでは無理だ。


 あと二年。死ぬ気で今以上の魔力を学ばねば・・・。


 だけど、今はソレよりも・・・。

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