魔道師と暗殺者
・・・・・・・・・・・・・関係ないですって、家族でしょ?
ふと、姉貴の言葉が頭をよぎる。
分かってる。
コレだけの魔術、コレだけの祭壇を使いこなせる魔法使いは、そうそういない。
自分だって、小さい頃はよく魔道師ギルドに遊びに行っていた。
母や、もう亡くなってしまった師匠にも魔術をたくさん見せてもらった。
だから、今の自分が魔道師の中でどれぐらいのレベルでいるのか、よく分かっているつもりだ。
一週間。
この時期ならば、一週間、きちんと集中して、相手の名前と顔が分かれば、ここからでもロンドンにいる魔道師に呪いをかけて殺すことができるだろう。
悠人の実力とは、ソレぐらいなのだ。
魔法に物理法則は関係ないが、地球半周先に居る相手に呪いをかけると言うのは、かなりの高等術である。
・・・故に、悠人はロンドンに行くことができない。
技術が高いことは、それだけ相手に狙われる危険性があるのだ。
戦争が終われば・・・。
・・・・・・・・・・・・そんな日が、本当に来るのだろうか・・・。