魔道師と暗殺者

「やっぱり、ここだったか。」


 ラーメン屋の中に聞き覚えのある声が響く。


 二人が顔を向けると、そこにいたのは同じように二人の女性。


「何だよ?真琴?」


 由良がぶっきらぼうに声を上げる。


 この二人が今どうなっているのか、自分でも良く分かってない。


「何だよ・・・はないでしょ?この前、貸したビデオ返してよ。あれ、美琴にも渡すんだから・・・。」


 わざわざ、そのためにラーメン屋まで?


「あぁ、あれか・・・悪い。あのビデオ、悠人に又貸ししてしまった。」


「何だと~。」


「あ・・・それだったら、私も見た。」


「え?」


 あ、マズイ。


「あれ?悠人に渡したの昨日だけど・・・。」


「うん、だから、昨日、悠人と一緒に・・・。」


「あ、あ~それはだな・・・。」


 必死に言い訳を探すが・・・


「どういうこと?」


 小松さんが叫ぶと同時に・・・


「いや、だって一緒に暮らしているし・・・。」


 爆雷が落ちた。


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