魔道師と暗殺者

「何だって、先咲さん?」


「え?」


 友人の唐突の言葉に、自分の脳がついていけなかった。


 思いのほか、自分の中でのダメージが大きかったらしい。


「だから、なんて言って、お前をフッてきたんだよ。」


「えっと・・・魔法使いじゃないなら付き合えないって・・・。」


 誤魔化そうとも思ったが、良いウソが思いつかなかった。


 なんと言うか、その言い方だと、まるで俺が魔法使いなら付き合えるみたいじゃないか?


 正体・・・バラしちゃおうかなぁ・・・。


「うわ、アイツそんなキャラだったの?」


「痛いねぇ~。」


 次々と、悪口を言う悪友の吉田と山本。


「そんなこと言うなよ、あいつなりの断り文句だろう?」


 ソレを弁護する由良。


「まぁ、いいけど。それにしてもお疲れ、桜沢。まぁ、よくあることだ。気にせず次に励め。」


 俺たちのリーダー各である坂本が、そんな言葉でまとめる。


「そんなこと言ったって、明日からどんな顔して会えばいいんだよ。」


「大丈夫じゃねぇ?」


「魔法使いじゃなくちゃ付き合えないって口にしているやるだしなぁ~。」


 俺の悲嘆の声を無視して好き勝手言うんじゃねえよ。


「ソレは明日からのお楽しみってヤツで・・・んじゃ、そろそろ帰ろうか。」


 由良が帰りを促す。


「そうだなぁ~、良いもの見れたし。」


 カバンを背負いなおして、大あくびする吉田


「まぁ、小遣いでたら、なんが奢ってやるから、ソレまで元気出せよ。」


 肩を叩きながらうすら笑いを浮かべる山本。


「それじゃあ、明日な。」


 既に全員から離れてさっさと校門に向かっている坂本。


 お前ら、勝手すぎだろう!


 もう少し慰めるとかしろよ!

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