魔道師と暗殺者
4節
~由良~
「こういうことは趣味じゃないんだけどなぁ。」
草木も眠る丑三つ時。
由良は、ターゲットの屋根の上にへばりついて、一人ぼやいた。
全身を黒一色の衣装で整え、顔を覆面で隠したその姿はまるで忍者である。
満月の次の日は、まだ月の光が明るく、人の家に忍び込むにはこれ以上不利な日はない。
しかし、由良には余裕がなかった。
情報屋のジジィが言っていたことの真偽を調べる必要があったのだ。
「魔女?」
その聞きなれない単語に、由良は思わず情報屋に聞き返したほどだ。
「オイオイ、まさかお前、魔法使いが本当にゲームや、物語の中だけの存在だとか思ってないだろうな?」
「まさか、俺だって裏の世界の人間です。彼らがヨーロッパの中で勢力争いをしていることぐらい、耳に入ってますよ。」
たが、その戦い方があまりに奇抜であり、また異常すぎて、正直、由良は彼らに関わりたくないと思ったことは事実だ。
「だったら、話は早い。俺は一度だけとある魔法結社の魔術師名鑑を見たことがあるが、確か、そこにそいつの顔があったぜ。」
「こういうことは趣味じゃないんだけどなぁ。」
草木も眠る丑三つ時。
由良は、ターゲットの屋根の上にへばりついて、一人ぼやいた。
全身を黒一色の衣装で整え、顔を覆面で隠したその姿はまるで忍者である。
満月の次の日は、まだ月の光が明るく、人の家に忍び込むにはこれ以上不利な日はない。
しかし、由良には余裕がなかった。
情報屋のジジィが言っていたことの真偽を調べる必要があったのだ。
「魔女?」
その聞きなれない単語に、由良は思わず情報屋に聞き返したほどだ。
「オイオイ、まさかお前、魔法使いが本当にゲームや、物語の中だけの存在だとか思ってないだろうな?」
「まさか、俺だって裏の世界の人間です。彼らがヨーロッパの中で勢力争いをしていることぐらい、耳に入ってますよ。」
たが、その戦い方があまりに奇抜であり、また異常すぎて、正直、由良は彼らに関わりたくないと思ったことは事実だ。
「だったら、話は早い。俺は一度だけとある魔法結社の魔術師名鑑を見たことがあるが、確か、そこにそいつの顔があったぜ。」