魔道師と暗殺者
「・・・・・・・・・・悪く思わないでくれよ。」
由良は目をつぶって、覚悟を決めると、ポケットから彼女と同じように拳銃を取り出す。
瞬時にサイレンサーを取りだし、コンマゼロ秒の速度で発砲。
もちろん、殺すつもりはない。
狙うは足。
無音の銃声。
由良の目にはハッキリと、彼女に命中するのが見えた。
・・・・・・・・・が。
「なっ!」
先咲さんは、うずくまるどこから、眉一つ動かすことなく、拳銃からナイフに武器を持ち替え、こちらに飛翔する。
・・・・・・・・足から血が出ていない・・・・?
気が付いたが、今、問題視することではない。
由良は、迫り来る先咲さんのナイフを間一髪で避ける。
・・・・・・・何か手はないのか?
相手を睨みつけながら、自分も武器を拳銃からナイフに持ち替えた瞬間。
「!」
何の前触れもなく、本当に突然に先咲さんがその場でしゃがみこんだ。