魔道師と暗殺者
3節
~悠人~
その日の夜。
“アイツを殺した方が、何倍も楽じゃない?なんでこんな無駄なことするのよ?”
闇夜にまぎれて、悠人は先咲さんの家を見張っていた。
その姿は魔道師の正装というべき、漆黒のローブ。
フードも目深にかぶり、顔すら見ることができない。
月が出ていない曇りの闇夜の中では完全に擬態していて、遠目からではマズ見ることができないだろう。
そんな悠人の肩には一羽のカラスが乗っている。
悠人の愛すべき相棒。
使い魔、カラスのシャーリーである。
昨日の夜から、昼間の先咲さんの見張りと、オーバーワークも良いところだ。
人間なら過労で倒れてしまうところを、憎まれ口を叩ける余裕がある辺り、さすが、魔族である。
「そんなことしたら、先咲さんの背後にいる連中がわからないままだろう?」
“ソレこそ、ローマ教会にでも頼めば?あなたは、ここの娘を殺して、アフリカあたりに逃亡すれば、コトは収まる話でしょ?”
まったくだ。
シャーリーの案は悠人ができる行為の中で、一番簡素で被害も少なく、妥当な選択だと言える。
だけど・・・ソレだと、今日の朝、彼女と交わした約束を破るコトになる。
・・・・『私を守って』
もちろんですよ。先咲さん・・・。
その日の夜。
“アイツを殺した方が、何倍も楽じゃない?なんでこんな無駄なことするのよ?”
闇夜にまぎれて、悠人は先咲さんの家を見張っていた。
その姿は魔道師の正装というべき、漆黒のローブ。
フードも目深にかぶり、顔すら見ることができない。
月が出ていない曇りの闇夜の中では完全に擬態していて、遠目からではマズ見ることができないだろう。
そんな悠人の肩には一羽のカラスが乗っている。
悠人の愛すべき相棒。
使い魔、カラスのシャーリーである。
昨日の夜から、昼間の先咲さんの見張りと、オーバーワークも良いところだ。
人間なら過労で倒れてしまうところを、憎まれ口を叩ける余裕がある辺り、さすが、魔族である。
「そんなことしたら、先咲さんの背後にいる連中がわからないままだろう?」
“ソレこそ、ローマ教会にでも頼めば?あなたは、ここの娘を殺して、アフリカあたりに逃亡すれば、コトは収まる話でしょ?”
まったくだ。
シャーリーの案は悠人ができる行為の中で、一番簡素で被害も少なく、妥当な選択だと言える。
だけど・・・ソレだと、今日の朝、彼女と交わした約束を破るコトになる。
・・・・『私を守って』
もちろんですよ。先咲さん・・・。