魔道師と暗殺者

「なんだはないでしょ?人がせっかく夏休みを利用して、可愛い弟君の姿を見に着てあげたというのに・・・。」


「余計なお世話だよ。」


 9月に進級、進学をする欧米諸国では、6月といえば、もう夏休みである。


 日本になじみすぎて忘れていたが、よく考えたら、自分も昔はこの時期はよく遊んでいたものだ。


 大学とは言え、例外ではないのだろう・・・。


「まぁまぁ。それにしても、これすごいねぇ~あんた、毎日、こんなの見てるの?」


 本棚から、分厚い魔術書のひとつを取り出そうとしたところで、姉が不意に声をかける。


 姉の目線を追ってみると、そこに映っていたのは、とあるテレビ番組。


 ・・・・・・・・・・幼年向き、アニメであった・・・。


「みねぇよ・・・なんで、そう思うんだよ?」


 ちなみに姉が見ているのは、『魔法少女リリマリア』という、不思議なアニメ。


 魔法の国から来た形容しがたい、マスコットに無理やり魔法戦士にさせられ、悪の限りを繰り返す、アクダイモンをやっつけるという、なんとも素敵なテレビ番組だ。


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