魔道師と暗殺者

「!」


 勝負は一瞬。


 悠人の振るった魔剣は見事に空を切る。


 狙いが外れたわけではない。


 相手の動きが、あまりに異常だったのだ。


 一瞬にして、飛び上がったかと思うと、驚いたコトに、相手は空中で姿勢を変えることで、方向転換をしたのだ。


「な!」


 声を上げる間もない。


 ニンジャは、闇夜にまぎれていつの間にか自分の背後に回っていた。


 その手には、刃渡り8センチほどのバタフライナイフ。


 この距離で相手を殺すには十分すぎる凶器。


 首が・・・切られる。


 思った瞬間、その援護は来た。


「くっ!」


 助けてくれたのは一羽のカラス。


 シャーリーだ。


 相手は突然の乱入者に戸惑う。


 その隙を逃さない。


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