魔道師と暗殺者

2節

~由良~


 学校から出て、住宅街を抜ける。


 そこにあるのは、一つの雑木林。


 悠人の家のすぐ傍にある、小さくとも大きくともいえない、不気味な雰囲気が漂う由良と悠人の小学校の頃の遊び場だった。


 由良は、鍛え上げられた足で、本来数十分かかるこの場所まで、わずか五分足らずで到着していた。


「あのヤロウ、よりにもよって、真琴に手を出すとは・・・。」


 雑木林を進みながら由良は、殺気を飛ばす。


 由良の頭には、昨日の陰が脳裏によぎる。


 全身を漆黒のローブで身にまとい、肩にカラスを乗せた、いかにも不気味な男


 アイツが、やったに違いない。


 陰湿で、狡猾で、勝つためには手段を選ばないのが、魔道師と言う生き物だ。


 だからといって、こんな外道・・・許して置けるか。


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