魔道師と暗殺者
「仕方ないだろう?良いから、お前帰れよ。ここは俺一人で何とかするから。」
できれば、自分が暴れる姿を見られたくない。
特に、小学校からの友人だったこいつには・・・。
そしたら、二度と俺は学校に戻れなくなるから・・・。
「何とかなるわけねぇだろう!いつもの喧嘩とはワケが違うんだよ。相手が拳銃とかナイフを持っていたら、どうするんだよ!」
「ソレこそ、お前も危険だろう?」
「俺は大丈夫だ!いいから、お前こそ帰れ、この森の中なら俺の庭みたいなもんだ。俺一人で何とかしてやる。」
「なっ・・・できるか!お前こそ、呼び出されたのは俺だぞ。お前こそ帰れ!」
言うに事欠いて、何言い出すんだこいつは?
庭だから何だって言うんだ?
それで、一般人のお前まで巻き込ませてたまるか。
コレは、裏の人間の仕業だ。
だったら、片をつけるのは自分の仕事だ。
「そんなの、何かの手違いに決まっている。相手の狙いは俺だ。だから、この場所を指定したに違いない。」
「何を言っている?だいたい、お前には先咲さんという人が・・・。」
「私なら、ここにいるけど?」
両者、あわや取っ組み合いの喧嘩になろうと二人に突然女性の声が割って入った。
声のした方向に顔を向けると。
「先咲さん!」
「美琴さん!」
二人の、声が重なった。
ん?・・・・・『美琴』さん?