恋愛LEVEL−2−
「こっちもごちそうさま♪」
そう言って智也は中庭を去った。
ユリは目が点で、口をあんぐり開けたまま…
ぐるりと校舎に囲まれた中庭は、衝撃現場を目撃した生徒たちのざわめきでいっぱいで…
あたしは…視点が定まらないまま、唇を手で覆って立ちつくしていた。
「キャーーーーー」
現実を理解したあたしの悲鳴が中庭に響いた。
−−−−−−−
教室に戻り、あたしは怒りをおさめきれずにいた。
「アイツ、信じらんない!!」
「大胆だね、智也は…」
ユリがハァ〜とため息をつく。
「でも。真剣な顔…カッコよかったじゃん♪《年下でも男》なんだねぇ…」
「感心しないでよ!ふざけてるよ、アイツ」
「意外とふざけてないかもよ?…しかしまぁ…奏先輩がいなくてよかったよね…」
「…そうだね。」
奏にあんな現場見られてたら、どうなってた事か…
−−−−−−−
ガラッ…
「ほら!授業始まってるぞ!席につけ!!」
木村先生が教室に入ってくる。
「…では。先日の実力テストの結果を配るから、出席番号順にとりに来い!」
実力テストの結果なんて今はどうでもいい…
奏にばれないようにしないとなぁ…
あたし、態度に出やすいから…
奏は勘だけはいいから。
勘で大学受かったようなもんだし…
あたしは、プププっと奏を思い出して笑った。
「や〜ま〜せ〜!!」
っあ、あたしか…。
「は、はいっ!」
あたしは慌てて席を立つ。
「思い出し笑いか?気持ち悪いぞ?」
「…い、いえ…」
「山瀬、すごいなぁ!学年トップだ!!よく頑張ったな♪」
先生はあたしの頭をぽんぽんとした。
「彼氏のおかげか?あんまり中庭でいちゃつくなよ?」
先生はニヤっと笑う。
見られてた?!?!
「はぁ?!アイツは彼氏なんかじゃないですっ!!」
あたしは真っ赤になりながら席に戻った。