恋愛LEVEL−2−


「こっちもごちそうさま♪」



そう言って智也は中庭を去った。



ユリは目が点で、口をあんぐり開けたまま…


ぐるりと校舎に囲まれた中庭は、衝撃現場を目撃した生徒たちのざわめきでいっぱいで…



あたしは…視点が定まらないまま、唇を手で覆って立ちつくしていた。





「キャーーーーー」



現実を理解したあたしの悲鳴が中庭に響いた。





−−−−−−−

教室に戻り、あたしは怒りをおさめきれずにいた。


「アイツ、信じらんない!!」


「大胆だね、智也は…」


ユリがハァ〜とため息をつく。



「でも。真剣な顔…カッコよかったじゃん♪《年下でも男》なんだねぇ…」


「感心しないでよ!ふざけてるよ、アイツ」


「意外とふざけてないかもよ?…しかしまぁ…奏先輩がいなくてよかったよね…」


「…そうだね。」



奏にあんな現場見られてたら、どうなってた事か…



−−−−−−−

ガラッ…


「ほら!授業始まってるぞ!席につけ!!」



木村先生が教室に入ってくる。



「…では。先日の実力テストの結果を配るから、出席番号順にとりに来い!」



実力テストの結果なんて今はどうでもいい…


奏にばれないようにしないとなぁ…
あたし、態度に出やすいから…

奏は勘だけはいいから。
勘で大学受かったようなもんだし…


あたしは、プププっと奏を思い出して笑った。



「や〜ま〜せ〜!!」


っあ、あたしか…。


「は、はいっ!」
あたしは慌てて席を立つ。


「思い出し笑いか?気持ち悪いぞ?」


「…い、いえ…」


「山瀬、すごいなぁ!学年トップだ!!よく頑張ったな♪」


先生はあたしの頭をぽんぽんとした。


「彼氏のおかげか?あんまり中庭でいちゃつくなよ?」


先生はニヤっと笑う。


見られてた?!?!


「はぁ?!アイツは彼氏なんかじゃないですっ!!」


あたしは真っ赤になりながら席に戻った。

< 10 / 78 >

この作品をシェア

pagetop