恋愛LEVEL−2−
ガラッ
「失礼しま〜す」
奏が職員室に入る。
「おっ!中嶋じゃないか!大学はどうだ?」
奏の担任だった先生が奏に声を掛けた。
「はい!だいぶ慣れました!」
あたしはそんなやり取りを見てから、職員室を出て廊下で待機…
暇潰しに職員室の廊下の窓を開けて、そこから見える学校裏の公園に目をやる。
ちょっと前までは、ピンク色が広がっていたのに、もう一面緑色になっちゃってるなぁ…
時々あたしに向かって吹き込む春風が、とても心地良かった。
「山瀬??」
あたしは、呼ばれた方を見た。
「…先生。」
「どうした?こんな所で…」
「今、ちょっと職員室に用事があって…」
「そっか。悩みでもあるのかと思ったよ」
「え〜?!そんな暗い顔してました?あたし…」
「いや…逆かな。なんか幸せそうな悩みを抱えてるって感じがしたけど?」
先生はニヤっと笑う。
「…あの。中庭での事…見たんですか??」
「うん。見ちゃった。校内がざわついてたからね。《中庭に山瀬千秋が出たぞ!!》って。」
「人を化け物みたいに…」
「ハハハ〜!山瀬はこの学校の有名人なんだな〜♪まぁ、頭もいい、顔もいい…じゃ人気も出るのは当然か♪」
「…別にそんなんじゃ。」
あたしは、照れてしまって俯いた。
「そう言えば、山瀬は進路考えてるのか?
まぁ、今の山瀬ならだいぶ上狙えるぞ!頑張れよ!!」
そう言うと先生はあたしの頭を優しくぽんぽんとした。
その手が余りにも優しくて、あたしは先生の後ろ姿を見つめてしまった。