恋愛LEVEL−2−
体育館にクラス毎に列ぶ。
校長先生の話、生活指導の先生の話がダラダラ続く。
緊張感のある新入生は静かに聞いているけど、
初めから集中力のない上級生は携帯をいじったり、お喋りしたり…。
時々、先生から一喝入るけど、静かになるのは一瞬だけ…
あたしもユリと列の最後尾でガールズトーク。
すると、あたしの腕がクイックイッと引っ張られた。
振り向くと、見たことのない男の子がいた。
「ねぇ、一年はどこに列ぶの?」
「え?一年生は…あっちだよ!」
あたしは指さした。
「サンキュ♪」
その男の子は、ニカッと笑って、あたしが指さした方に向かっていった。
「可愛い子だったね♪」
ユリがニヤニヤしながら言う。
「確かに…可愛かったねぇ。タメ口だったけど。」
…うん。
まだあどけなさが残っている。
カッパー色の髪、前髪がちょっと長めだけど頭頂部とサイドはそれより短めで今時っぽく、クリっとした猫目、ほんの少しアヒル口っぽくて、人懐っこい雰囲気の子だった。
「…では、各クラスの担任を発表します。」
教頭先生の一言で、あれだけざわついていた体育館が静まり返る。
担任が次々と発表される。
歓声をあげるクラスもあれば、悲鳴と共にドミノ倒しのように倒れていくクラスもあった。
「次、うちのクラスだよ!」
ユリが手を組んで何かに祈るように教頭先生を見る。
「えぇ…3年1組…
木村隆司先生。今年度からこちらに赴任された先生です。」
あたしもユリも、紹介されてクラスの先頭に立った、木村先生をバッと見た。
あたしたちのクラスの女の子全員が、
「キャァ〜〜〜〜♪」と歓声をあげた。