恋愛LEVEL−2−
あたしは智也と奏の大学の前にいた。
行き交う人がみんな大人に見える。
工業大学ではあるけど、女の人も思ったよりたくさんいて、
智也が言っていたように女子大生は大人の色気があった。
正直、自分がとても幼く見えて、自信がなくなっていた。
「どうする?中に入るのやめる?」
「どうしよ…」
あたしは俯いた。
智也はそんなあたしに、
「一緒に行ってあげるから。」
と、言ってくれた。
大学内に入ると、制服姿のあたしたちは一気に注目を浴びる。
そんな注目を無視して、あたしは奏の姿を探した。
しばらく歩いて、食堂や購買がある場所に着く。
「さすがに大学は広いな…帰ろっか♪」
智也がそう言った時、
「よぉ!千秋♪」
山下くんがあたしの前にいた。
「山下くん!!久しぶり!!今日バイトは??」
「今日はゼミあるから休み…ってか、何してんの?めちゃくちゃ目立ってんだけど…」
山下くんは智也をチラっと見る。
「あ、この子は高校の後輩なの。彼氏がここの大学だから、ちょっとついて来てもらって…」
「へぇ…。てっきり、あの彼氏とは別れて、俺に会いに来たのかと思ったけど?」
「ちょっと、千秋!ひょっとしてまたライバル出現??」
智也は冷たい視線で山下くんを見る。
「そ、そんなんじゃないよっ!」
山下くんは、はぁ…とため息をついて、
「俺は千秋を待つ身だから…」とサラっと言った。
その後、山下くんは講義があるから…と、私たちと別れた。