恋愛LEVEL−2−
あたしは顔を上げれなかった。
奏が、「ルミ!!千秋は俺の大事な彼女なの!!」ってフォローしてくれてたけど、
そんな言葉はあたしの耳に入って来なかった…
「千秋…おいで」
奏があたしに手を出したけど、涙でその手がぼやけて見えて掴めない。
「千秋。わかっただろ?
ほら、行くよ!!」
智也があたしの手を握り、その場からあたしを離した。
「千秋!!」
奏があたしを呼んだけど、
「またね〜千秋ちゃん!」
と、さっきの女の人があたしに《早く帰れ》と目に見えない圧力をかけてくる。
あたしは、涙が流れてしまうのを堪えて、智也の手にしがみついた。
−−−−−−−
「大丈夫?」
「…うん」
ホントは大丈夫じゃないけど…
「女ってこえぇ〜よな…」
「……」
「あ!千秋も女か♪」
智也は普段と変わらず明るく振る舞ってくれる。
「同棲してんだろ?今日帰れる?」
「…わかんない」
そうだった…
奏にどんな顔して会えばいいんだろ…
「…俺ん家…来る?」
「……」
「俺ん家が嫌なら…ラブホとか♪俺はラッキーだけど♪」
「……」
「ち〜あき♪元気だせ!千秋は十分綺麗だし、可愛いし!!」
「…でも。」
「あんなおばさんの言う事、真に受けんなって!!ただの嫉みだよ。」
「言ったでしょ?好きな気持ちに年下も年上も関係ねぇって…」
「…智也」
智也は、真剣な顔で…優しい男の目で、あたしを見つめる…
あたしより大きい手で、あたしの手をギュッとする…
その大きい手で、あたしの髪を撫でる…
あたしはその智也の手を握った。
「あぁ!もう!千秋!!」
あたしがすっぽりと智也の腕の中におさまる…
「…智也、背高いね」
「…千秋が小さいの♪」
智也はあたしを一度ギュッとして、
あたしに優しいキスをおとした。