恋愛LEVEL−2−

あたしは奏の家を出てからどこをどう歩いていたかわからなかった。


気付いたら、目の前に智也がいて、気付いたら智也の家にいた。


あたし、智也を呼び出したのかな…


でも携帯の発信履歴には《智也》の名前はない。


「千秋♪偶然過ぎて運命感じちゃうよね♪」


…あ。偶然だったんだ…


「はい、アイスティーしかないけど♪」


「ありがと…家の人は?」


「両親は仕事〜お兄とお姉は遊びに行ってんじゃないかな?」


「…そっか」


「つまり二人っきり♪」

智也はニカッと笑った。


「…えっと…」


あたしは話題を探す…



「ねぇ、千秋。」


「な、なに?」


智也の真面目な顔にドキっとする。



「こんな時にズルイのはよくわかってるんだけど…俺、千秋がマジで好きなんだ。」


「……」


「千秋は俺より2つ上だし、来年は卒業しちゃうから千秋はどんどん大人になっちゃうかもしれないけど…」


「……」


あたしはギュッとグラスを持つ手に力が入る。


「俺が凄く子供っぽく感じちゃうかもしれないけど…
社会人になったら、歳の差なんて関係なくなるし…」


智也は髪の毛をくしゃっとして、顔を赤らめながら言った。



「だから…俺と付き合ってくれないかな…」


あたしがバッと顔をあげると、温かい手があたしの頬に触れた。



あたしは、智也があたしより背が高くて、
手が大きくて、
肩幅が広くて、
力が強くて…
あたしを包みこんでくれる心の広さを持っているって知ってる。

最近は年下だなんて感じなくなってきているのも事実。



でも…あたしは…





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