恋愛LEVEL−2−
教室に戻ると、クラス中が有り得ないくらいのハイテンションだった。
そんな中、木村先生が教室に入ってくる。
ほんのり茶色がかった髪、切れ長で綺麗な目、シャープな顔立ち…
背も高いし、スタイルがいいから、細身のスーツがよく似合っている。
「えぇ…っと。
このクラスの担任になった、木村です。
受験生を受け持つのにプレッシャーを感じてますが。歳も近いから、遠慮なく相談して欲しい。」
カッコイイ人って、声までカッコイイのね…。
「何か質問あるかな?」
と、先生が言った瞬間、
「先生、いくつですか?」
「彼女いますか?」
「好きなタイプは??」
…いくつもの質問が飛び交い、先生は苦笑している。
あたしは、さほど興味がないから肘をついて窓の外を見る。
三年生の教室は1階だから、窓の外はつまらない風景しかなかった。
…2年生の時は2階だったから、遠くの景色が見れたんだけどなぁ…
「コラッ!」
コンコンっとあたしの机を叩く音がした。
見上げると、木村先生があたしの机の横に立っていた。
「ヒャッ!!」
あたしはビックリして、変な声をあげてしまった。
先生は名簿を確認しながら言う。
「…えっと、山瀬…千秋?」
「は、はい!」
「よそ見はダメだぞ?」
「は、はい…すみません。」
あたしは真っ赤になって俯いた。
「せんせ〜!千秋は彼氏とラブラブ過ぎて、心ここにあらずなんですよ?」
と、クラスのお調子者が言う。
「もぉ!!余計な事言わないでよぉ!!」
あたしはますます真っ赤になった。
「山瀬、恋愛もいいけど受験勉強おろそかにするなよ?」
先生はにっこり笑って言う。
「だ、大丈夫です!!」
あたしは、プイっとしてまた窓の外を見た。