恋愛LEVEL−2−
奏の家についた。
中に入ると、奏の姿は無かった。
あたしは寝室に行って、あたしの服をいくつかあさっていた。
そこに奏が帰ってくる。
「千秋っ!!」
玄関からバタバタとリビングに走って行く足音が聞こえる。
リビングにいないのがすぐにわかったのか、寝室に勢いよく入ってきた。
あたしは、クローゼットから引っ張り出した、あたしの服に囲まれた状態…。
「…千秋…」
「奏…」
その瞬間、あたしは奏に抱きしめられた。
「…千秋、出ていくな!!ここにいろ!!
今朝言った事は全部嘘だから…
ルミとは何もないし、俺、アイツにヤキモチ妬いて、お前に当たっちゃって…
だから…ごめん!!頼むから出ていかないでくれ!!」
必死にあたしに言う奏が可笑しくて、あたしは、クスクスと笑った。
「ち…あき?」
「奏、あたしが服を出してるから出て行くと思ったの??
これは、そろそろ冬物をしまおうと思って出しただけだよ…?」
「へ?!」
奏はポカ〜んとあたしを見る。
「マジかよぉ!!!俺てっきり千秋が出て行く支度してるかと思って…」
奏はそう言うと、そのまま床に大の字になって寝転んだ。
あたしは、それが可笑しくて可笑しくて、涙を出しながら笑い続けた。
最後は、笑いはなくなり、涙だけが溢れた。