恋愛LEVEL−2−
入学式を終えて外に出ると、上級生が必死にサークルの勧誘をしていた。
あたしの手にも何枚もビラが渡される。
サークルなんて入ったら、奏がなんて言うか…
あたしはビラを適当に折りたたみ、バッグにしまった。
「サークル入らないの?」
話しかけられた方を見ると、可愛い女の子。
「あたし、石川夕葵(ゆうき)、山瀬千秋ちゃんでしょ?」
「…っえ、うん。」
なんであたしの名前知ってるんだ?
あたしは、ポカンとする。
「クスっ。なんであたしを…って顔してる。
山瀬千秋ちゃんって同じ歳で有名だからよ♪」
「…へ?そうなの?!」
「同じ学科だし、仲良くしてね♪」
「うん♪よろしく、ゆうきちゃん!」
「…で、サークル入らないんだ?」
「うん…入らないつもり」
「あたしも〜!そういうの彼氏がうるさくて…」
「…あたしもだよ」
プッ!!
あたしたちは顔を見合わせて笑った。
−−−−−−−
それからあたしたちは自己紹介を兼ねて、大学の食堂で話をした。
「彼氏と同棲してるの?!しかも高校の時から?!」
「そうなの。家の親が一緒に住んぢゃえ〜って感じにさぁ…」
「あたしも同棲したぁぁぁい!!しちゃおっかな。」
「彼、同じ大学なんでしょ?羨ましい…」
「うん、学部は違うけどね〜って、来た来た♪」
夕葵が手を振る先を見ると、めちゃくちゃ目立つ二人組がこっちに向かって来る。
まわりの人たちも彼等に見とれている。
「彼の相原涼太だよ!」
「ど〜も。ってか、夕葵!!この子、山瀬千秋ぢゃん!!」
…そんなに知られてんのあたし。
「凄い子GETしちゃった♪後で写メしとこ♪」
あたしは苦笑い…
「…でこっちが…」
「また会ったね♪千秋ちゃん」
…朝の人だ…。