恋愛LEVEL−2−
夕葵と涼太くんはまだ店に残るということで、
あたしは瑛太くんと店をでた。
ファミレスから駅までは歩いて10分ほど。
繁華街にあるファミレスだったから、駅に行くまでに居酒屋やバーがあって、あちこちに酔った人が多かった。
「一緒について来て正確だったよ…千秋ちゃん一人でこんな所歩かせてたら危なかったな…」
「う、うん。ありがとね…瑛太くん。」
ふと前を見ると、チェーン店の居酒屋前の暗がりで座り込んでいる女の人が見えた。
その人にミネラルウォーターを飲ませている男の人の姿も目に入る。
暗がりとはいえ、ネオンがあちこちにあるからシルエットははっきり見える。
女の人はその男の人に寄り掛かり、首に腕をまわして、甘えるような仕草を見せる。
「ありゃぁ、完全にお持ち帰りだな…」
瑛太くんがフッと苦笑して言った。
その瞬間、女の人は男の人にキスをした。
あたしは、パッと視線を外して、横を通り過ぎる。
その時…
「奏く〜ん♪あたし、どっかで休みたぁぁぁい♪」
女の人が猫撫で声でそう発した。
あたしは、その女の人の方に振り返る。
「…奏?!」
「千秋ちゃん?」
瑛太くんはあたしを不思議そうに見た。
「ち、千秋?!」
男の人はバッと女の人を引き離す。
間違いなく、その男の人はあたしの名前を呼んだ…
「…っち、違うんだ!!この人…先輩が酔っちゃって…だから介抱してて…」
「奏く〜ん、誰?この人」
女の人はまた奏の首に腕をまわそうとする。
奏はその腕を払いのけて言った。
「俺の彼女です…」
「うわぁ♪ヤバイとこ見られちゃった?ごめんね♪
聞いて×2♪奏くんったら、さっきあたしの胸ばっか見ちゃって♪硬くなっちゃったりしてたのよぉ?若いわね〜」
「先輩っ!それ俺じゃないですって!!」
あたしは、頭が真っ白だった。