恋愛LEVEL−2−
ガチャっと玄関を開けて、奏の靴がない事を確認する。
リビングには向かわず、直接寝室に向かった。
すぐに着替えて、クローゼットからブランドの名前が書いてある、大きめの紙袋を引っ張りだして、何着かの服と下着を入れる。
自分のバッグには化粧道具やコンタクトを入れ、最後にコンセントから携帯の充電器を抜いて、さっきの紙袋に入れた。
その荷物を玄関に置いて、洗面台で顔を洗う。
溜まっている洗濯物に目がいくけど、見なかった事にした。
あ…ミュールやパンプスもいくつか持っていこ。
適当に手に取った靴をまた紙袋に入れた。
玄関を出て、鍵をする。
…鍵…どうしよう。
ポストに入れる?
あたしは、この家を出て行く??
大きく膨らんだ紙袋を見て、迷いが出てくる。
…行こう。
でも、あたしはこの家の鍵をポケットにしまった。
…奏が悪いんだから。
あたしは自分から家を出たにもかかわらず、後悔の気持ちも捨て切れなかった。
でも。
奏が血相かえて焦る姿を想像して、優越感に浸った。