恋愛LEVEL−2−
目の前に信じられない光景があった…
玄関の壁にもたれている女の人…
その女の人に覆い被さるように激しくキスをしている男の人…
男の人は女の人の服を捲り上げ、下着をずらして胸を直に激しく触る…
喘ぐ女の人の声…
ここまで聞こえる男の人の吐息…
「…そ…う?」
あたしの消え入りそうな声に二人がバッと反応する。
女の人は乱れた服を整え、
「…じゃ、じゃぁね!」と慌てて出て行った。
奏は、あたしを悲しい目で見ている。
あたしはリビングのバッグを持って、玄関に走った。
いつから出ていたかわからない涙で自分の靴がぼやける。
奏の横を通り過ぎようとした時、腕を掴まれ、勢いのまま抱きしめられた。
耳元で聞こえる声…
「ち…あき…」
奏からはお酒の匂いがする…
あたしは、奏の胸を力一杯押した。
簡単によろける奏の姿…
「千秋!!」
あたしを呼ぶ声が耳に入らない。
あたしは自分の涙を拭いて、今にも泣きそうな奏の顔をはっきり見た。
「もう…別れよ…」
あたしは奏に向けて初めてそんな言葉を口にした。