恋愛LEVEL−2−
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ツレ達と居酒屋で酒を呑んで、勢いで隣の女のグループに声をかける。


あぁ…酒って気持ちいいもんなんだ…


ふわふわして、嫌な事も忘れてしまいそうだ…


俺の横に座った女がやたらと身体をくっつけてくる。


はっきり言ってウザイ。

俺の身体は反応なんかしなかった。

酒のせいか?


違う。



千秋以外の女には反応しなくなってんだ…




千秋の顔が浮かぶ…


同時にあの男の顔も浮かぶ。



ムシャクシャ…する。



隣の女が、俺を誘う。


「わりぃけど、彼女以外に勃たないから…」


「いいよ?そのかわり…あたしを気持ち良くして?」


…慣れてんな、このバカ女。


千秋はそんな事絶対言わねぇ。


千秋の事が頭を過ぎった瞬間、そのバカ女を連れ出していた。




もうどうでもいいや。



ウサ晴らし的な感じに女を家に連れ込んだ。

千秋の香りがするベッドなんかでヤルつもりもないし、そんな価値もない。
玄関で上等だ…



俺は、その女にムシャクシャをぶつけるようにキスをした。


やっぱり俺、機能しねぇや…




それを千秋が見ていた。




バカ女が出て行ったのもわからないくらい、俺は頭が真っ白になった。




思わず千秋を抱きしめる。

何日ぶりだ…千秋の感触。

でもそれも僅かな間だけ…

俺は千秋に押され、よろける。


千秋に押されてよろけるなんて、酒…呑むんじゃなかったな。




千秋は、そんな俺を冷たい目で見た。


感情のないような冷たい目…




そして俺に一言…








「もう…別れよ…」







身体中の力が一気に抜けた。
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