恋愛LEVEL−2−

タクシーを降りて、
瑛太くんの家の玄関前。


あたしは悟られないように深呼吸をし、中に入った。



もう深夜だし、瑛太くんは寝ているだろう。



玄関に入った所でリビングのドアが開いた。



「おかえり、遅かったね。」


いつもの優しい笑顔にまた甘えたくなる。


その衝動を抑え、あたしは笑ってリビングに入る。


「ごめんね…また帰ってきちゃった…」


「…いいよ。帰って来てくれて嬉しいよ」


「…もう…優しくしないでよ…」



あたしは泣くのを堪える為に左手の爪で右手をギュッと摘む。



「…千秋ちゃん。」


瑛太くんはそんなあたしの様子を見て、あたしを優しく抱きしめた。



「瑛太…くん?」



あたしは瑛太くんの顔を見上げる。



「千秋ちゃん…俺も男なんだぞ?そんな顔で見ないでくれる?今までずっと我慢してたんだから…」


「…え?」



「千秋ちゃん…ずっとここにいなよ。」


「…でも…」


「って言うか…ここにいろ。」


瑛太くんの抱きしめる腕が強くなる。



あたしは、瑛太くんの腕の中でコクンと頷いた。




瑛太くんがあたしの身体を少し離し、あたしの目を見て言った。





「千秋ちゃんが好きなんだ…」





瑛太くんの顔が近付く…

あたしは…それを受け入れた。




あたしは瑛太くんの背中に手をまわしてギュッと力を入れる。




「…いいの?」



唇が微かに触れる距離で、瑛太くんはあたしに確認する。




あたしは、またコクンと頷いて、瑛太くんの唇に自分の唇を重ねた。




「止めれる自信ないからね?」




そう言ってあたしを抱き抱え、寝室に連れて行く。




そのままあたしは、瑛太くんの優しい全てを受け入れた…





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