恋愛LEVEL−2−
奏と別れて、いくつか季節を見送った。
また…桜の季節…
「瑛太早く!!」
「千秋待てってそんなに急がなくても食堂は逃げないって!!」
さぁぁっと風が横切ると、桜の花びらもあたしを横切る。
一面、桜色に染まる…
「綺麗…」
あたしは食堂の限定ランチの事なんて忘れて、その場に立ち尽くした。
「千秋を初めて見た時もこんな感じだったな…」
瑛太が懐かしむように言う。
「入学式だったよね…」
「そう。俺はあの時千秋にオチたんだ…
千秋がものすごく綺麗で…」
あたしはくすぐったい気持ちになった。
「千秋…好きだよ」
瑛太はあたしをしっかり見つめて言った。
あたしたちを桜の花びらが包むように舞う…
「瑛太…」
するとあたしたちのそばを新入生らしき子達が通り過ぎて行った。
「うちの高校、桜の木がなかったんだよ〜!」
「マジ!?」
「うん…マジ!!」
「…でもね、
《入学式に桜の木がない話を一目惚れした相手に話すと恋が実る》って伝説っぽいのがあるの!!」
…その時、
あたしのまわりにだけふわって花びらが舞ったような気がした…