恋愛LEVEL−2−
あたしは、懐かしむあまり幻聴が聞こえた…?
「ッゲ!なんでオッサンがいるんだよ?!」
智也のその言葉に幻聴じゃない…と確信する。
振り返ると…
あたしをまっすぐ見つめる人がいた…
「クソガキ!聞こえてねぇのか?離れろ。」
奏があたしの元に来て、ペリっと智也を引き離す。
「っちぇ!!」
智也は軽く舌打ちをして、学校を出ていく。
「…なんで?」
「…なぁ。
ここの学校…なんか違和感感じねぇ?」
「…え?」
「…桜の木がねぇの。
気付いてた??」
あの時と同じ会話…
「なぁ…一目惚れした相手に桜の木がないって話したら恋が実るって伝説…あるらしいぞ」
「…知ってる」
「俺ら…伝説になってたんだな…」
「……」
「…千秋。迎えに来た。」
「…え?」
「…千秋を迎えに来た…
俺には千秋しかいないから…」
あたしは奏に出会った日を思い出して、涙が溢れた。
「…おいで」
奏はあたしに手をさしのべる。
あたしは奏の手に自分の手を重ねた…
ギュッと握られた手をグイっと引っ張られ、
あたしは奏の腕の中に入る。
「遠回りしたけど…もう…絶対離さないから…」
あたしは声を出さずに何度も頷いた。
…あたしたちの伝説は本当になったね。
「もう…離さない」
「もう…離れない」
絶対に…
[完]
おまけ→