薬指に光るモノ
助けてくれた人
一一一一一………
あの日からずっと、翔太の言葉が頭から離れなくなってしまっていた。
何をするにも考えてしまって、その度に気分が落ち込む。
その繰り返しだった。
「はぁ…」
もう、今日何度目かわからない溜め息を吐く。
今は仕事中なのに、どうしても考えてしまう。
美月さんや谷口さんに、心配をかけてしまっているってことは、わかってた。
だけど、あの二人の前で空元気な様子を見せても、すぐに見破られてしまう。
最初のうちは必死に笑っていたけど、今では余計に心配と迷惑をかけてしまうだけだった。