薬指に光るモノ
助けてくれた人


一一一一一………



あの日からずっと、翔太の言葉が頭から離れなくなってしまっていた。



何をするにも考えてしまって、その度に気分が落ち込む。


その繰り返しだった。




「はぁ…」



もう、今日何度目かわからない溜め息を吐く。



今は仕事中なのに、どうしても考えてしまう。




美月さんや谷口さんに、心配をかけてしまっているってことは、わかってた。



だけど、あの二人の前で空元気な様子を見せても、すぐに見破られてしまう。


最初のうちは必死に笑っていたけど、今では余計に心配と迷惑をかけてしまうだけだった。


< 28 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop