アップルパイの恋人
何枚目かで


彼の手が止まって 机に置いた名刺をすっと私に見せた



[BISTRO・NAKAMURA]

二人で良く食事したね…


彼を見たら ふと笑って。


また別の名刺を差し出した

『そこだよ。ただし、店というよりは普通の家なんだけどね。上手く焼けた時だけ…販売してるんだ。電話してみるといい』



『はい…ありがとうございます…』


名刺を受け取った私に小さな声で


『男…か?』


黙って名刺を胸に、自分の机に戻った


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