アップルパイの恋人
昼休みに いそいそと出かける私を



課長が呼び止めた


『アップルパイ…買えたか?』


『あ、いえ。土曜日に行く…予定です』



課長は私の肩に軽く触れて

『彼氏と…か?』

『…はい。』


少し顔が熱くなって…下を向いた



『そっか。引き止めて悪いな。行っておいで』



軽く手を振って 微笑んだ


私も…笑顔で


『行ってきます!』


走りだした。
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