アップルパイの恋人
仕事に戻っても


アップルパイの香に包まれた あの人が忘れられなくて



ぼーっと していた。



『おい。ぼーっとして。どうした?』



過去の男。私の上司。


『あ、いえ…。なんかアップルパイが食べたくなって』


そんな風に答えた私に、なんだか変な顔をして、行ってしまった。



もう…普通に話せるようななったな。私。
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