虎と真珠
夢うつつ

探し物が見つからない

泣いて泣いて泣いて

白い砂浜にグズルように横になった

暖かい陽射し

ほくほく

ぽかぽか

まぶたが重い

「君が真(シン)?お母さんが探してたよ。戻ろうか」

まぶたは重力に勝てなくて

腕をのばした

少し笑われた後、腕は軽く引っ張られて

暖かい背中にもたれた

おぶられ、揺れて眠気は増して
眠りについた


?「シンっ!起きろ!入学式遅れるぞ」黒髪に左耳に白いピアスの長身な男子学生が寝ているシンを起こそうとしている

バシィイ!!

真「……痛い」
叩かれた頭を摩る黒髪で右目の泣き黒子が印象的な学ラン生徒

?「生徒会メンバーが入学式に屋上で寝るとか初めてだと思うんだけど…」

真「乙臣(オトオミ)かよ…」

叩いた張本人を軽く睨みつける

乙臣「乙臣かよ…じゃないだろ。亀仙が探してるぞ、竹刀振り回して」

真「…亀仙か。ややこいな」
*亀仙…亀川仙一。愛称亀仙。竜宮高校剣道部顧問 校長

んじゃ、行きますか。
と立ち上がるシン。

乙臣「桃乃(モモ)も、硝也(ショウヤ)も探してたんだからな…」

真「分かったよ…。行きます。行きます」

乙臣「入学式とかデカイ行事の日位起きとけよ、頼むから」

真「お前はウチの母ちゃんか」

何かが切れそうな気配がしたが、堪えたようだ
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