千日紅を姫さんに
空の色と風の音
私はもう一度鞄の中身をチェックする。
ノートに筆箱、携帯も持ったし…
「よしっ、完璧。」
私は小さく息をはいて、
鞄を握る力を強める。
「いってきまーす!」
誰もいないこの家も、からっと晴れたいい天気も
まるで私を見送るように優しく包み込む。
そのせいもあってか、
学校へ向かう足は自然と速くなっていく。
そのスピードは
学校に着いた時、息が上がっているほどだった。
私が今日から通う高校
“第一高校”はごくごく普通の、
本当に一般的な高校の造りで和やかな空気が流れている。
―うん、期待は十分
…にしてもはやく来すぎたかな
時計を見ると、先生に言われた時間より1時間以上も早かった。