スキ、やき
「あ、…圭」
『これ、飯。母さんが持っていけって』
「ありがとう」
四年ぶりに入るミズん家は、昔とちっとも変わってない。
「適当に座ってええけん」
近くのソファーに座った僕の横に、ミズも座る。
「圭さ、なんか変わったね」
『どこが?』
「身長とか、声とか。あと…雰囲気も変わっちょう」
『まあ、ミズん中の僕は中三で止まっちょうけん。四年経ったら、誰でも変わるやろ』
緊張しているのか、ミズの肩が微かに震えている。
そんなんやったら、無理にこんなことせんでも…
『ミズ、イヤなんやろ?止めようや、こんなこと』
「だから…あたしはイヤやないが。早くしよう、圭」