スキ、やき




『ミズが悪いが…。僕が言うたに、フってもくれんかったけん…僕はミズの傍から離れたが……』

僕のこと好きなら、なんでその時に言うてくれんかったが?


言うてくれたら、県外になんか行かんかった。

……莉奈とも、付き合わんかった。


「ごめん…圭……。でもあたし、その時からずっと…圭が好きやき」

『だから今更やん!!!』


珍しく声を荒げてしまった。

そんな僕を見て、ビクッとなるミズ。


僕はもう、ミズを好きになる資格なんかない…。


逃げ出したけん…

ミズから。





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