嫌いなのに･･

私は､しばらく突っ立ってしまっていた｡
頭が思い出したくない陸の事でいっぱいだ｡
しばらくして学校の事を思い出すと私は急いで走った｡

教室へ入ると担任の福本和義がもう来ていて数学の授業をやっていた｡
｢遅れてすみません･･･｣
ペコリと頭を下げると和義が
｢サクラが遅刻なんて珍しいなあ｣
と笑いながら言う｡
｢とにかくまあサクラ｣
｢はい?｣
｢後で仕事手伝え｣
はい･･?
遅刻しなければよかった････｡
｢はい･･･｡｣
落ち込むように言うと
｢お前が遅刻するのが悪いはっはっは｡｣

この私が通う高校､さくらんぼ高校は名前はかわいいが担任達はとてもめんどくさがりやでほとんどが男教師なのだ｡
私には夢がある｡
それはこの高校で彼氏を作ること!!
たいしてセンスはないし色気もないけど･･
こんな私でも付き合ってくれる人を見つけたい!!
その意気込みを親友の小川舞に言うと
不適な笑みを浮かべて言った
｢ふふふ･･頑張れー･･｣
舞にはもう阿川敬斗という立派な彼氏がいるんです｡
舞には色気もあって髪の毛はまっすぐの茶色｡
私なんか､肩くらいの長さで黒色｡
｢舞はいいよねー･･｡色気もあるしもてるし･･｣
｢そんな事ないわよー｡サクラの方が色気あると思うよ｣
舞は優しいしおだやかでとてももてる｡
なのに私のこと気遣ってくれてとっても大好きなんだ｡
ちなみに舞とは幼稚園のころからの仲良しなんだー｡
舞といろいろ喋っていると放送が流れた｡
｢1年E組の春野サクラさん今すぐ職員室に来てください｣
放送が終わるとクラスのみんなに注目を浴びた｡
1年E組には陸もいて､ゆっくり顔を上げて
こっちを見た｡
するとすぐに顔をゆっくり伏せてまた眠ってしまった｡
｢やばい!!忘れてたー･･!｣
｢ちょ､早く行きなさいよ!!｣
舞がそう言ったので私は急いで職員室へむかった｡