あわない目線


〔ねーこのあとどおする?〕
〔カラオケは?〕

など放課後の
予定をたてる声がする。

今日も1日終わっちゃった。



帰ろう。
席を立った。


あたしの教室から
下駄箱には職員室の前を通らなければならない。


職員室の前を通りかかったとき困り果ててるあなたがいた。


つい見つめてしまっていたら
目があった。

ドクン。


あー。泣きそう。
やばい嬉しすぎる。
困ってる、どぉしよう。
助けなきゃ。


「あっ。ちょっと手伝ってくれる?」


ウソ

あたしの目の前に
あなたがいて、あなたの目に
あたしが写っていることが奇跡に感じる。

「あっぇおっ、はいっ。」


「あはは。どもりすぎだよ。やっぱり面白いね。」


やっぱり?
あなたもあたしを見ててくれたの?

そんなわけないか。
これ以上幸せを望んじゃだめだ。

「面白いって誉め言葉?笑」

「誉め言葉だよ。ニコ」


もう、ね。幸せ。
あなたに微笑んでもらえて
あたしだけに今はあたしだけに微笑んでくれてる。


並んで歩いて喋ってる。
今日は幸せすぎる。
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