秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
「し、しました」
『んでなんて言った!?』
「えっと……結婚したそうですって言った気がする」
『誰がッッ』
「まおとかっくん」
『……』
…あ、またこの沈黙。
なんか…予感では、切れそうな気がするよまた。
聞かなかったことにしようみたいな空気でさ。
―ぶつっ
…ほらね。
「お嬢様、そろそろ着きますが…」
「あ、そう?」
ほんじゃ……電源、切っときましょうかね。学校だものね。ぐふっ。
「顔が怪しい」
「怪しい!?」
え、かっくんに言われるとなにやらすごくショックなんですが。
そんなヘンな顔してました?
「あの…お、お嬢様? 到着いたしましたが…な、なにをなさってるので」
「なっなにも!? あああありがとう。帰りはいいからねっ」
身を乗り出して鏡を覗き込んでたら、野木さんがものすごーーく引いた声で言ってきた。
慌てて弁解し、車を飛び出した。
「行こかっくん。早く!」
「荷物持って行けよ…」