秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

…とかなんとかやってるうちに、“夜”はやってきた。


「ほら! ほら夜でしょ? 暗いよお外」


「あーはいはい…。季節によって暗くなる時間は違うっつーのに」


「なんか言った?」


「別に」


人のベッド占領しながらぼそっと呟いたかっくんに、ちょっとした出来心で奇襲をかけてみた。


「そおれっ」


「う"っ…」


「きゃっきゃっきゃ!」


「きゃっきゃじゃねぇよこの野郎…」


ぼすんと勢いよく飛び乗って、手を叩いて喜ぶあたしにかっくんが大きなため息をついてみせた。


「ね、お腹すいたね? かっくん」


「降りろよ」


「やだ」


きっともうすぐでごはんだね?

坂本さんは一秒の狂いもなく、ぴったり七時半に夕食を持ってくる。

今は七時十二分。うふ❤もうすぐ!


「……真裕」


「ん?」


相変わらず上に乗っかったままのあたしに、かっくんが呼びかけた。

いやに真剣な声色だ。


「どったの?」


「お前さ…」


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