秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
突如明かされる失踪の秘密

――楓サイド――


俺が。

この俺が。

こんな…こんな…。


『きゃーかっくん!! なんか動いたの! ねえなんか動いた!』


『裸で飛び出てくるなアホ!』


『だってお風呂場に何かいたよ!?』


『……石鹸が滑っただけじゃねぇか』


『……あらまぁ』


……こんなアホみたいな(よく言えば天然)やつに負かされるとは。

一生の不覚…。


「…ねえったら」


ぶすっとむくれて急かす真裕。

思わずため息をこぼしながら、昨日からずっと思っていたことをぽつりぽつりと話した。


「…俺は……お前が好きだ」


「はうっ!?」


本当に…心の底から。

これだけは、一点の曇りもないと言い切れる。


「い…いきなりの告白!? なにが始まるんだろう…どきどき」


「そういうことは心の中で言え」


例えこんな風にバカっぽい…いやアホらしい…いや……。

……なんなんだろうこいつって。

天然などという言葉では足りない気がする。


…まあとにかくこんなやつでも、惚れてしまったものは仕方がない。

これでも芯のしっかりしたやつだし、やるときは本当によくやる。

なにより、なんかすげぇ可愛い。小動物みたいな愛くるしさ?


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