秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

…だけど。

洋平が「俺はどうしても抜けられない仕事があるから、代わりにしっかり見といてくれよ」と言って出ていった数分後。


「…!!」


言いようのない気分の悪さに襲われ、倒れ込んでしまった。


「うっ……ん…」


なんなの…これ…?

気分が悪い。

体が……重い。

どこかが痛い気がする。だけどどこかさえも分からない。


…ヘンだわ。


漠然と、自分の体に異常が起きていることを感じた。


この状態で行くのは危険。

そう思って、無念ながらもとりあえず医師を呼んだ。


まったく動けずに、床に倒れ込んだままだった私を、やがてやってきた医師が慌てて抱き起した。


「奥様! どうなされました、奥様!?」


「分からない…。おかしいのよ…」


そういえばここ最近、体がだるいことが多かった。

疲れからかと思ってたんだけど…。

もしかして、私どこか悪いの…?


「病院でよく調べましょう。起きられますか?」


「む、ムリ…」


力の入らない体をなんとか起こし、医師に連れられて大きな病院へ。

このときは……まさか。

まさかあんなことになっていようとは、思いもしなかった―。


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