秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
「藤峰様。お話があります」
流暢な日本語で、真剣な表情で言われる。
思わずドキッとした。
こういう時は……大概。
いい話ではない。
「先日の検査の結果が出ました」
「……」
「……申し訳ありません」
……!
申し訳……って…。
なんで…謝られるの…?
「…私どものミスです。転移が……見られました…」
「……!!」
転…移…!
転移…!? そんな! だってっ…。
「た、大したことはないって……仰いましたよね…? 薬で治るって……仰ったじゃないですか!」
私が思うのと全く同じことを、付添いで来ている医師が言った。
「はい。確かに…リンパ腫のほうはもう完治に向かっています。ですが…」
―ですがその前にもう、骨、肺、血液に、転移していたのです――
「……」
なにも、言えなかった。
声を出すことが出来なかった。
「…どれもレベル4。まして、肺や血液ではもう…私どもではどうにも……」
どうにも……できない…?
どうにもできないの…?