秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
…それから一時間…。
りんりん達はかっくんに追い出されるようにして帰っていった。
まあ理由の一つとして、あたしが疲れてしまったからっていうのもあるけど。
帰り際のりんりんは面白かった。
「真緒っっ。あたしいつでもどこでも参上するからねっ!? なんかあったら呼んでね!?」
「う、うん」
参上って。
参上ってお嬢さん。
ぷくくっ。
思い出してくすくす笑いながらベッドでゴロゴロするあたしを、かっくんはヘンなものを見るような目で見ていた。
うん。相変わらず失礼っ。
あたしはというと、意外と元気は戻っていた。
不思議と後悔というものはなく…。
確かに、もう少し早ければと思ったりもしたけれど。
それよりも、会いたいという気持ちが強くって、それ以外に何も思わない。
思い出して辛くなったり、時々涙が出たり。
一週間くらい眠れなかったし、食欲も出なかった。
そういうことはあったけど、だいぶ持ち直してきた方だ。
なんだかすべて…かっくんのおかげなような気がするんだ。
あの日からずっと泊めてもらってるあたしのそばには、いつもかっくんがついていた。
気が付いたら隣にいるの。
不安になったとき、気が付いたら抱きしめててくれるの。
こういうときに頼れる相手……受け止めてくれる相手がいるというのはとても心強い。
「まーおちゃん」
じっとかっくんの後姿を見つめていたあたしに突如声がかかった。
彼の次にあたしを支えてくれていた人だ。
「ママ」