秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
あたしってダメな子っ。
やればできる子だと思ってたのにぃ!
「かっくんまおでーきーなーいーっ」
びええーっと泣きつくあたしをぽんぽんしながら、優しくかっくんは言ってくれた。
「あーよしよし…。大丈夫だから。いてやるから(いいのか知らんが)。な? もっぺんやってみ」
ん? と顔を覗き込まれ、こっくり頷いた。
さっきのはなかったことにして、もう一度一からバイオリンを開く。
そしてかっくんが来るまでシュン達が弾いていた曲の楽譜(と思われるもの)をちらっと目にし、それをやってみることにした。
「…えほんっ」
…何度も言うようだけど、歌うわけでもないのに咳払いをして。
なにかな、これくせなのかな。
「…ってこの曲知らねー…」
ぼそっと呟きながらも、とりあえず弓を乗せてみた。
一瞬だけちらりとかっくんを見やると、見守るようにしてくれているのが見えた。
それで安心したのか…。
―♪~♪♪~
まるで滑らせるように、弓を滑らかに動かすことができた。
…ああ…。
やっぱり楽しい…。
前も思った気がするけど、思い通りに弾けるってステキね…❤
―ぴょいん
「……ミスった!!」
びっくりした!
なんか間違えたことに異様にびっくりした!