秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
うちと合併することになった会社の社長とご夫人がお見えになるの。
その披露会みたいな感じで立食パーティー。
いらなくね? って正直思ったんだけどね。まあね、うん。
『そーだぁ。まおの友人ってことで招待状渡そうか。来る? ね?』
『え? いいの?』
『全然問題ないけど』
『そうなの?』
『うん! 美味しいよ❤』
『美味しいよて。そこはほら、楽しいよとかさ、例えば。美味しいよて』
だってそうなんだもの。
まあいろんな大御所が来るけど、そのご令嬢ご子息も来るし。
同じくらいの年代だから、混じってりゃ分かんないって。
『じゃあ詳しいことは今からなんだけどー…決まったら渡すね』
あ~でゅう~~っと大きく手を振って、まだ呆然としてるかっくんを連れて(まだ学校終わってないのに)すたたたたっと走って帰った。
「いやー忘れてたよホント。…かっくん…着物似合うだろぉな…❤」
「お前さ……そういうことはせめてもっと早く言えよ」
「だから忘れてたんだってば」
父様が来た時に聞いてごらん。
「ああっ! そうだったっっ」
…とか言うから。間違いなく。
…っては?
「え?」
今……?
「いやぁ忘れてたよ。そおだったねそおだったね」