秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
―――……
はい、せぇのっ。
「きゃーーーーーっっ❤❤すてきーっ!」
「うるせぇ…」
だだだだってだってだって!
みんな見て!? これちょっと見て!?
なにこのすてきさ!
彫刻っ。まるで完璧な彫刻のよう!
ううんっ、絵だわ。あり得ないくらい美しい絵のようだわっ。
いーえそれとも!
この世のものじゃないのかもしれないっ。
「どうしよう!」
「落ち着いてみてはいかがでしょう? 帯が結べませんわ」
「そお!? じゃあそおするっ。落ち着いてみる!」
「全然落ち着いてねぇ」
だってあなた鏡見ました?
宝石のように輝いて見えない? 心臓をわしづかみにされたようにきゅううってならない?
「見えねぇしならねぇ」
「ちょっ…。目腐ってんじゃないの?」
「アホかお前は。自分見てそんななるやつのほうが腐ってるわ」
ああそうか。
かっくんにとってかっくんは自分なのか。
まおにとってのまおみたいなそんな感じか。
「さ、できましたよお嬢様。お二人並ぶと壮観です…❤まさに美男美女カップルですねぇ!」
「そ、そう?」
そう見える? 着物マジックすごいね…! ね、和服ってすてきね…!