秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

「えっ!? そ、そんな!」


「いや、そんなじゃねーわよ。いやに決まってるじゃないですか」


「な、なぜ…?」


なぜってだって…。


ちらっとかっくんを見やると、咳払いして口を開いた。


「えほん。…紹介させていただきますわ」


「え?」


「こちら、私のだ・ん・な・さ・ま・の、楓様でございます。以後、お見知りおきを…」


「……え?」

「は?」

「へっ…」


…ふふん。驚いたかこのやろー。

こんっなすてきなお方が旦那さまよ!

敵わないと悟ったでしょう。ふっふっふ。


「では離縁して結婚してください」


「ふざけんなこの野郎❤」


そしてさっさと手を離せ♪

いい加減怒っちゃうぞっ。


ぐぐっと手に力を込めて逃れようとするも、なぜか離そうとしない。

イラッとしてきだしたところへ…。


―ガシッ


「…!」


「かっくん」


…かっくんが、肇とかいう人の手を取って、引っぺがしてくれた。


「……なにをするのかね君」


「いや…こいつ、俺のなんで」


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