秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

ずっっっっきゅうーーーーーんっっ!!

ななななに今の!?

や、やだちょっとっ…!

すてき…❤


ぼっふんと頭が爆発したかと思った。

てか、した。爆発、した。


「ご……ご結婚なされてたんで…?」


ずぇんっぜん知らなかったらしい谷川様が目を見開く。

婚約発表は、あんなに大々的にしたのにそれすら知らなかったの…?


「まあ…まあ…! それはそれは…」


副社長も驚いているらしく、口元に手を当てている。


「ところで君。…手を離してはもらえんか」


「ああ…すいません」


パッと離すと、あたしを座らせてすぐにかっくんも腰を下ろした。

やがて肇って人も谷川様の隣に座り…。


「申し訳ありません!! ご結婚なされてたとは露知らず…。存じ上げなかったこととはいえ、誠に失礼なことを…!」


ははーっと土下座でもするんじゃないかってほどに頭を下げる谷川様。

父様は「いや、いいんですよ」とにこやかに笑っていた。

笑うとこじゃねーのよ父様。

あいつまおの手握ったのよ。

初対面の人に触られたくなんかない! 男でも女でも!


…第一印象って大事だよね。

あたし、なんかもうこの人嫌いだよ。

会社合併のせいで、これからも付き合っていかなきゃいけないと思うと…なんか。


…ハア…。

ため息もの…。


その日の話し合いは、あたし、あんまり覚えてない。


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