秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
―――……
『ユウキ……って、なにかあったの?』
学校が終わってメイリーと二人で話をしているとき、ふと思い出したことを率直に聞いてみた。
あの悲しそうな横顔がどうしても忘れられない。
なにかあったのかなって思ったんだ。
『なにか? どういうこと?』
『ううん…なんとなく聞いてみただけ』
『さあ…特に知らないけど。…だってあいつ、誰とも仲良くしたりしようとしないのよ。誰も何も知らないんじゃないかしらね?』
『そっか…』
頷きながら、ずずっとジュースを飲んだ。
なんでか……ユウキのあの顔を、あの目を見たら、あたしも悲しくなっちゃったんだ。
ちくりと胸が痛んだ。
どうしてだろう?
『じゃあいくつなの?』
『ユウキのこと? 確か十八じゃなかったかしら。…なあにあなたったら、妙に気にするわね。婚約者がいるんじゃないの~?』
十八! 一つしか違わないじゃない!
人のこと散々ガキガキ言ってぇっ。
許せないわっっ。
たんじょおびがちょっとばかし早いだけじゃないのよー。
「はっっ!!」
たんじょーび!?
わっ。た、大変なこと思い出しちゃったよ!
がたんと座っていた椅子から思わず立ち上がった。